冬になるとノロウイルスがインフルエンザとともに猛威を奮います。
感染すると胃腸にダメージが強いということは知っていると思いますが、ノロウイルスに感染しないためにはとにかく予防が大切!
そこで今回はノロウイルスの予防に効果的な消毒について、消毒液やその作り方について説明していきたいと思います。
目次
ノロウイルスの予防には消毒が大切!
ノロウイルスの予防には消毒が大切ですが、今までの経験上「消毒=アルコール消毒」だと思った方も多いはず。
でも、実はノロウイルスにはほとんどアルコール消毒が効かないんです!
「えっ!?どうして!?」と思われた方、その理由はノロウイルスにエンベロープという細胞やウイルスを保護する膜が無いためです。
このエンベロープという膜は脂質でできていて、アルコールに触れることで溶かして不活化することができます。
しかし、それを持たないノロウイルスはアルコール消毒では不活化できないということになります…
ですが、そんなノロウイルスには次亜塩素酸ナトリウムがとっても有効なんですよ!
次亜塩素酸ナトリウムと聞くと身近にない気がしますが、実は漂白剤の「ハイター」がそれなんですね。
短期間に大量に摂取すると人体へも影響がある成分なので、取扱いには気を付けなければいけませんが濃度さえ間違えなければ大丈夫なので安心して下さいね♪
ノロウイルスの予防に効く消毒方法とは
家庭でできるノロウイルスの消毒方法は限られていますが、今回はその中でもメジャーな2つの方法をご紹介します。
加熱処理による消毒
ノロウイルスは85℃で1分以上の加熱によってウイルスの活性を無くすことができると考えられています。
また、二枚貝(牡蠣など)の食品から感染する可能性が高いため、二枚貝の場合は中心部が85~90℃以上で90秒以上の加熱が望ましいです。
とにかく感染しやすい食べ物を生で食べるのは危ない!と思っておきましょう。
それだけでなく、調理した調理器具や食器などにも付着している可能性があるため、包丁やまな板も加熱処理をしたいところです。
一般家庭では包丁やまな板をきちんと洗い、沸騰したお湯をかけるといった方法が効果的ですよ!
ハイターを使った消毒
前述したとおり、ハイターを使った消毒がノロウイルスには効果的です。
ハイターを使った消毒液を作ってドアノブや便座を拭くことで、ノロウイルスを消毒してしっかり予防しようという目的ですね。
それと、嘔吐物や下痢などの処理の際にもハイターを使った消毒液が使われます。
その際の消毒までの流れは以下の通りです。
- 窓を開けて換気をする
- 衣類に嘔吐が付着している場合、捨ててもいい衣類であれば新聞紙で包んでビニール袋で封をして捨てる
- 洗濯をする場合は、キッチンペーパーで嘔吐物を取ってビニール袋に入れて封をしておき、後で0.02%の消毒液に30分ほど浸けてから洗濯をする
- 床に嘔吐物がある場合、新聞紙やキッチンペーパーで外側から掬うようにして取り、ビニール袋に入れて消毒液を上からかけて捨てる
- 拭き取った後の床を消毒液をかけて雑巾でしっかり拭く
※ハイターによる色落ちが気になる時は煮沸消毒をして下さい
※感染しないために、必ず手袋とマスク、長袖長ズボン着用で行って下さい
※床などに散らばった嘔吐物や下痢便は、意外と遠くまで広がっているので広範囲の消毒が必須!
加熱処理ができないところはハイターを使った消毒が必須になってくるので、自称でその作り方をご紹介します。
ノロウイルスの予防に効く消毒液の作り方
ノロウイルスの消毒液の作り方ですが、一般家庭で使うキッチンハイターを使います。
この時気を付けてほしいのが、ワイドハイターは酸素系漂白剤のため必ずキッチンハイターを使う点です。
また、消毒液は用途によって濃度を変える必要があります。
ドアノブやトイレなどを掃除する際に使う消毒液
ドアノブやトイレ・階段の手すりなど普段触るようなところにハイターの消毒液を使いますが、その濃度が濃すぎると金属部分が錆びてくるので薄めの消毒液を作ります。
ここで使う消毒液の濃度は0.02%(200ppm)以上です。
【用意するもの】
- キッチンハイター(市販のキッチンハイターの濃度はだいたい約5~6%)
- 2Lの空のペットボトル
【作り方】
- 2Lの空のペットボトルに半分くらい水を入れる
- ペットボトルキャップ2杯分(キャップ1杯約5ml)のキッチンハイターを、1のペットボトルに入れてよく混ぜる
- よく混ぜたらペットボトルが一杯になるまで水を入れて完成
正確には『5(%)×8(ml)/2000(ml)=0.02%』なので、ペットボトルキャップ2杯分よりも少し少ないくらいでも大丈夫です。
嘔吐や下痢などを処理する際に使う消毒液
ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や下痢などには、ノロウイルスがたくさん含まれている可能性があります。
また、消毒液が嘔吐物や下痢などに接するとその濃度が低下するため、掃除などで使うものよりも濃度の濃いものを作ります。
ここで使う消毒液の濃度は0.1%(1000ppm)以上です。
- キッチンハイター(市販のキッチンハイターの濃度はだいたい約5~6%)
- 2Lの空のペットボトル
【作り方】
- 2Lの空のペットボトルに半分くらい水を入れる
- ペットボトルキャップ8杯分(キャップ1杯約5ml)のキッチンハイターを、1のペットボトルに入れてよく混ぜる
- よく混ぜたらペットボトルが一杯になるまで水を入れて完成
『5(%)×40(ml)/2000(ml)=0.1(%)』なので、ペットボトルキャップ8杯分で40mlが必要ということになります。
ちなみに500mlのペットボトルで作る場合は、ペットボトルキャップ2杯分のハイターで作れます。
※市販のキッチンハイターの濃度はだいたい約5~6%ですが、たまに10%のものもあるようなので確認はして下さい
まとめ
ノロウイルスの消毒には加熱消毒か、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムが含まれる消毒液を使うのが基本です。
そのため、濃度の薄い消毒液を作って普段からドアノブや手すりなどの掃除をこまめにしましょう。
でも嘔吐物などの処理の際は普段の掃除用ではなく、濃度の濃いハイターを使った消毒液で対応して下さいね?