ご飯を食べている最中に相手の箸の持ち方が悪かった時、「躾がされてないんだな」と思ったり言われたりしたことはありませんか?
これは、日本人は昔から行儀作法にはものすごくうるさいからなんですが、たかだか箸の持ち方くらいで育ちが悪いなんて言われてしまうのは勿体ない!
そこで今回はなぜ箸の持ち方で育ちが悪いと言われるのか、正しい箸の持ち方の練習方法と併せて知っておきたいマナーについてお伝えしたいと思います。
目次
「箸の持ち方が悪い=育ちが悪い」となぜ言われてしまうのか
「箸の持ち方ができていない=育ちが悪い」なんて失礼な!そう思った方、確かにその通りです。
箸の持ち方だけで親がちゃんとしつけなかったからだなんて、たったその一点だけを見て判断されたくないですよね?
むしろ、たかだか箸の持ち方くらいで勝手に「育ちが悪い!」と決めつけて、その人の家族や人格すら否定する人の方がはるかに育ちが悪いんじゃないかと思えてきてしまいます。
でも日本という国のお国柄、行儀作法や躾(しつけ)に口うるさくなってしまうのは仕方がないことなんです。
と言うのも、昔から日本は「○○であるべき!」というものが明確になっていると、そこからはみ出すことは許されずもしはみ出そうものなら「変わり者」扱いされてしまうのですから。
そして、それが今現在も若い世代には薄れてきたとはいえ、そう簡単にはその概念は無くなるものではありません。
実際私も多少のことなら気になりませんが、「にぎり箸」「箸が×になっている」という人を見ると「残念だなぁ」と思ってしまいます。
そのため、楽器を教えている子供たちとご飯を食べる時は、「箸の持ち方!」と口をすっぱくして言ってます!
それは、可愛い子供たちがたかだか箸の持ち方くらいで「育ちが悪い子」と思われてほしくないから。
時々「ちゃんとしたところでは正しく持ってるもん!」と反論してくる子もいますが、普段からできていないことはいざという時に残念ながらボロが出やすいんですよ。
箸の持ち方を気にしすぎて、せっかくの楽しい食事が台無しになっては元も子もないですからね。
逆に言えば、箸の持ち方が良ければ「ある程度ちゃんと躾をされてきた子」と思ってもらえるわけです!
たったこれだけのことで人間の良し悪しを決められるのは本当に勿体ないので、そう思われないためにも普段から箸の持ち方には気を付けたいですね。
正しい箸の持ち方は練習すれば習得できる!
では、箸の持ち方で育ちが悪いともう二度と言われないためにも、まずは正しい箸の持ち方を知って習得できるように練習をしましょう!
正しい箸の持ち方
- まずは箸を1本だけ使って鉛筆の持ち方と同じく、親指・人差し指・中指の3本で箸を持ちます
- そこにもう一本の箸を親指付け根から指の間に差し込みます
- 差し込んだら、中指を箸と箸の間に来るようにします
これが基本的な正しい箸の持ち方になります。
文字にすると簡単そうにみえても正直習得までには時間がかかります。
そのため、次にご紹介する練習方法を繰り返し繰り返し行っていきましょう。
正しい箸の持ち方を練習してみよう
正しい箸の持ち方を習得するための練習は、次の4段階に分けられます。
- まずは一口目だけ正しい箸の持ち方で食べる
- 二口目、三口目…と数を増やしていく
- 無意識に最初の一口目が正しい持ち方で食べられるように
- 一食全て正しい持ち方で食べられるようになる
まず1ステップ目は、食事の一口目だけを正しい箸の持ち方で食べるだけOK!
最初からぜーんぶ正しい持ち方にしようとするとかなりのストレスになってしまうので、長続きさせるためにもまずは一口目だけ意識しましょう。
そして、一口目だけが苦ではなくなったら、二口目三口目…と徐々に数を増やしていきます。
とにかく無理をしないことが一番なので、手が痛くなったらそこでやめたり気分が乗らなかったらしなくても大丈夫!
そうやって一進一退を繰り返しながら少しずつ回数を増やしていきましょう。
それを続けていくと2~3週間くらいで、気付いたら一口目が無意識で正しい持ち方で食べられるようになってきます。
また、この頃には食事の半分近く正しい持ち方で食べても苦じゃなくなってきていると思います。
それが半分・4分の3…と苦じゃなくなっていき、晴れて一食全てが正しい箸の持ち方で食べられるようになるというわけです!
目安としてはだいたい1ヵ月くらいでできるようになるといいですが、期間は気にせず自分のペースで続けることが習得のなによりの近道ですよ♪
箸の持ち方と併せてしてはいけないマナーも覚えよう
さて!晴れて正しい箸の持ち方が習得できたところで、もう一つ正しい箸の持ち方と併せて覚えてほしいことがあります。
それは『嫌い箸』という箸の無作法で、食事中に一緒に食べてる人に不快な気持ちや不潔な感じを与えるような箸の使い方をさします。
これはやってはいけない箸の使い方なので、正しい箸の持ち方ができたのなら一緒にマナーとして覚えておきましょう!
- ねぶり箸:箸についたものを口でなめること
- にぎり箸:箸をにぎりしめて持つ持ち方のこと。箸の機能を全く果たさないのと、食事の途中でにぎり箸にすることは攻撃を意味して危険な行為とされている
- 刺し箸:料理に箸をつきさして食べること
- 指し箸:食事中に箸で人を指すこと
- そら箸:食べようとして食べ物を箸で取ったのに、食べずに元に戻すこと
- 二人箸:食器の上で二人一緒に料理を挟むこと
- 迷い箸:どの料理を食べようか迷い、料理の上をあちこち箸を動かすこと
- 箸渡し:箸と箸で食べ物のやりとりをすること。火葬の後で死者の骨を拾うときに同じ動作をするため縁起が悪い
- たて箸:死者の枕元に供える枕ご飯が箸を突き刺して立てるため、周囲の人に仏事をを連想させてしまう
せっかく正しく箸が持てるようになっても、『嫌い箸』をして育ちが悪いと言われては勿体ないです!
なので、正しい箸の持ち方と併せて是非『嫌い箸』もやってはいけないマナーとして頭に入れておきたいですね。
まとめ
日本人は昔から行儀作法に厳しいこともあって、「箸の持ち方が悪い=育ちが悪い」と今でも言われてしまいます。
でも、箸の持ち方が悪いだけで育ちが悪いと言われるのは勿体ないため、正しい箸の持ち方ができるように少しずつ練習して下さい。
そして、正しい箸の持ち方ができるようになったらやってはいけない『嫌い箸』も覚えて、「あ、この子はちゃんと躾けられて育ちが良さそうだな」と言われるようにしましょう!