食中毒と聞くと梅雨時から夏場が危険だと思う人が多いかもしれませんが、最近では秋や冬など年中を通して発生しやすくなっています。
でも、どうしたら食中毒を予防することができるのでしょうか?
そこで今回は食中毒を予防する対策や家庭でのポイント、手洗いについてまとめていきたいと思います。
目次
食中毒を予防するための対策とは
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着して体内へ侵入することによって発生します。
そんな食中毒を防ぐためには、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。
また、ウイルスによる食中毒を予防するためには、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、食べ物にウイルスを「つけない」、付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」という4つのことが原則となります。
食中毒予防の3原則!
つけない
手にはさまざまな雑菌が付着しているため、食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、次のような時には必ず手を洗いましょう。
- 調理を始める前
- 生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
- 調理の途中でトイレに行ったり、鼻をかんだりした後
- おむつを交換したり、動物に触れたりした後
- 食卓につく前
- 残った食品を扱う前
また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度綺麗に洗って殺菌をして下さい。
できれば生の肉や魚と野菜は別の調理器具を使うようにするか、加熱しないで食べるものを先に取り扱うと安心です。
そして、焼肉などの場合には生の肉をつかむ箸と、焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。
食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたりラップをかけたりすることが大切です。
増やさない
細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。
そのため、食べ物に付着した菌を増やさないためには低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
ただし、冷蔵庫に入れても細菌はゆっくりと増殖するので、冷蔵庫を過信せず早めに食べることを心掛けて下さい。
やっつける
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するため、肉や魚はもちろん野菜なども加熱して食べれば安全です。
特に肉料理は中心までよく加熱することが大切で、中心部を75℃で1分以上加熱することが目安になります。
また、布巾やまな板・包丁などの調理器具にも細菌やウイルスが付着するので、熱湯で殺菌するようにしましょう。
特に肉や魚・卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから必ず熱湯をかけて殺菌して下さい。
更にウイルスはこれも気を付けよう!
持ち込まない
調理者などが調理場内にウイルスを持ち込まないためには、ウイルスに感染しない・感染した場合には調理場内に入らないことが必須です。
そのためにも、日頃から健康管理や健康状態の把握を行い、おう吐や下痢などの症状がある場合は絶対に調理を行わないようにしましょう。
ひろげない
万が一ウイルスが調理場内に持ち込まれても、それが食品に付着しなければ食中毒に至ることはありません。
こまめな手洗いや、ふきんやまな板・包丁などの調理器具は洗剤でよく洗った後熱湯消毒をすることを心掛けましょう。
食中毒を予防する家庭でのポイント6つ
食中毒を予防するには家庭でも下記のポイントに注意する必要があります。
- 食品の購入
- 家庭での保存
- 下準備
- 調理
- 食事
- 残った食品
生鮮食料品や保存期間の短い食品は、必要な分だけ計画的に購入して下さい。
また、肉や魚・牛乳などの冷蔵や冷凍が必要なものは、最後に買うようにします。
そして、肉汁や魚汁が他の食品につかないように別々にビニール袋に入れます。
購入したら寄り道をせず早く家に帰るようにしましょう。
冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しをして、7割程度を目安に入れるようにします。
肉や魚などはビニール袋に入れ、肉汁や魚汁が他の食品につかないようにして下さい。
そして、冷蔵庫の開け閉めは極力少なく、開けている時間は短いように心掛けましょう。
生の肉や魚を切った後の器具を洗わずに、果物・野菜や調理済みの食品を切ることは絶対にやめて下さい。
まな板を使った後はすぐに流水、洗剤で洗ってたっぷり熱湯をかけるようにして、できれば肉用、魚用、野菜用などと使い分けると良いでしょう。
パックしてある野菜やカット野菜もよく洗って下さい。
調理の前や調理中でも生ものに触れたら手を洗浄消毒して下さい。
加熱して調理する食品は十分に加熱(目安は中心部の温度が75℃以上で1分間以上)しましょう。
調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置しては絶対いけません。
そして、食事の前には必ず手を洗って下さい。
残り物は早く冷えるように清潔な容器に小分けして、ラップなどをかけて冷蔵庫に保存して下さい。
そして、時間が経ちすぎたら勿体ないと思っても思い切って捨てましょう。
食中毒を予防するための手洗いの方法
食中毒を予防するためにはちゃんとした手順で手洗いをしなければ意味がないので、その手順とポイントをご紹介します。
【手順】
- 水で手を濡らして石鹸を手に取る
- 泡立てて手の甲をモミモミと揉み洗いをする
- 指の間や親指をしっかり洗う
- 手のひらや指の先をゴシゴシ洗う
- 手首も忘れずに洗う
- しっかり流水で流す
- 清潔なタオルなどで綺麗にふく
【ポイント】
- 手全体にいきわたるようにしっかりと石鹸を泡立てること
- 最低30秒は時間をかけて手を洗うこと
- アルコール消毒液があれば、手洗い後に忘れずに消毒をすること
- できれば2回手洗いを実施すること
まとめ
食中毒の予防はとにかく「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則が大前提です。
そのためにも、家庭での予防のポイントを抑えて食中毒にかからない環境づくりを心掛けましょう。
そして、手を洗う時もただ水洗いをするのではなく、しっかりと泡立てて隅々まで洗うようにして下さいね?